「朝陽はまた昇る」寄贈の集い

2021年7月20日、絵画「朝陽はまた昇る」の寄贈の集いがメモリアルラウンジにて行われました。ご来校くださったのは、絵画寄贈者の鈴木貴子様、絵画の作者の井上寛子様(本科26回卒)、井上様の長女大野静子様とご長男のお連れ合い、そして東京新聞の記者さんの5名。学校からは山口博校長、岡部事務長、翠耀会から役員が7名参加してお迎えいたしました。鈴木様のお母様の鈴木須美枝様(高9回卒・旧姓小林)は2019年に逝去され、貴子様はお母様への想いをお母様の母校である女子聖学院への絵画のご寄贈という形に示されました。井上寛子様は、103歳になられる現在も画家として創作活動を続けていらっしゃいます。東京新聞の野呂記者は、井上様の取材で同行されました。(井上様の記事は東京新聞8月26日朝刊に掲載されました。)

 鈴木貴子様は、井上画伯の個展において、「朝陽はまた昇る」をご覧になり、その絵の持つ明るさと、作者の井上様の前を向いて精進なさる姿をご覧になられて、お母様の母校の在校生がコロナ禍の不安な毎日を、希望を持って学校生活を過ごせるようにとの願いを込めて、この絵画を女子聖学院に寄贈できたらと思われたそうです。ご寄贈のご意向を受けた翠耀会は、早速学校に問い合わせ、山口校長の快諾を得て、今回の寄贈の集いとなりました。7月20日、ご卒業後ほぼ80年を経て母校を訪れた井上寛子様は、「鈴木貴子様の熱い想いから実現した今回の出来事によって、自分も誰も立ち上がることができる明るい前途があることを考えさせられました。朝陽が女子聖学院の将来を明るく輝らすことを願います。」とご挨拶されました。そして、床や窓枠など、在校中の雰囲気の残るメモリアルラウンジや、校庭に聳え立つ創立後2回目に卒業された2人が植えた2本のイチョウの大木を前に、85年前に戻られたかのように、体育の天野ちょう先生、国語の田中秀先生、家庭科(のちに英会話)の河合静先生などのお名前を口にされ、テニスコートが大きかったことなどを懐かしそうにお話しくださいました。

 コロナウイルスの流行によって、先の見えない不安の中にあって、今年描かれた「朝陽はまた昇る」について、井上画伯は「今年のはじめに窓辺で太陽を見ていた時に一瞬雲に覆われた黒い太陽を見たのです。それでも再び明るさを取り戻した時のイメージから、必ず、明るい未来がやってくるに違いないとの希望を込めて描いた絵です。」とご説明くださいました。一見黒く見える太陽ですが、それとは対照的な淡い藍色とオレンジ、ピンクに彩られた周囲は、本当に明るい未来を想像させ、見るものの心を癒し穏やかにする絵画です。学校では、「朝陽はまた昇る」をチャペル棟正面玄関横に掲額してくださいました。コロナ禍が収まって、ご来校の機会がございましたら、在校生や保護者の皆様だけでなく、一人でも多くの卒業生にもご覧いただきたく、少し遅くなりましたが、ご案内する次第です。

2021.9.22 女子聖学院翠耀会

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