【中3英語】目を凝らす~見えにくい世界に生きる人に目を凝らしてみること〜

1月20日と22日に、飯塚先生とzoomをつなぎ、お話を聞きました。

中3は、2学期の英語の授業で、中村哲さんのアフガニスタンでの業績について読み、世界の中には戦争や干ばつによる貧困で苦しむ人がいることと、難民の人たちが自分の足で立てるように支援し続けた中村哲さんについて学びました。
レッスンの最後には、中村医師の使命である"shine light into dark corners"(暗い隅に光を当てる)について議論を行い、考えを深めました。

今回、お話を伺った飯塚直輝先生は、日本で中高の英語教員を経て、現在世界を旅しながら各国の学校やフリースクールで、ボランティアで英語を教えていらっしゃいます。レバノンに滞在した際には、シリア難民の子どもたちに英語を教えていらっしゃいました。
現在、レバノンには100~150万人ほどのシリア難民がいると言われ、レバノンの人口の五分の一を占めています。
しかし、難民キャンプに学校はあるものの、教師がストライキを起こすなどとし学校自体が機能していません。そのため飯塚先生らはフリースクールを始められました。

中村哲さんの授業で触れた難民のことなど、日本で生活をしていると見えない部分を、レバノンで難民と生活された飯塚先生に直接お話しを聞く事が出来る貴重な機会をいただきました。

どのように生活しているかを生徒たちに問いながら、難民キャンプのお話をしてくださいました。
例えば、「どのような物を食べているのかな?」「学校に来られない子どもはどのような理由かな」等。
10歳の子どもが朝4時から、違法ではあるものの、お野菜を売るために自身で運転するため、学校に行くことが出来ないというお話を聞くと、思わず生徒たちも唖然としていました。
しかし、そのような背景もありながら、飯塚先生は、シリア難民キャンプの子どもたちは環境を除いて、日本の子どもと何も変わらないとお話していました。甘いものが大好きだったり、写真を撮ると恥ずかしがったりと純粋でかわいい子どもたちですと。
レバノンの現状は、日本で想像していたものとあまり変わらなかったと。

大きく感じたことは3つあるとのことでした。
①「自分の当たり前が、当たり前ではない」
 自分が普通だと思っていたことが、異端児扱いを受けたり、宗教や戦争によって環境で変化すると感じたそう。

②「目を凝らす~見えにくいもの見ようとすること」
 見ようとしない・知ろうとしないこと(=目を凝らさない)で、勝手にラベルや偏見を持ってしまう現状があること。
 その結果、自分の国に誇りを感じなくなってしまう。

➂「誰もが自分に誇りをもって、幸せに生きる権利がある」

中村哲さんの『暗いからこそ、光をあてる価値がある』と飯塚先生の『目を凝らす~見えにくいものを見ようとすること』
それこそが『shine light into』『dark corners』なんだなと生徒自身も感じたと思います。
固定概念を勝手に抱き、知らないのに物事を語る・伝えることで、誰かを傷つけてしまう怖さを改めて感じ、
感受性豊かなこの時期に、様々な世界情勢を知り、自分で真実を知っていってほしいなと改めて感じました。
また、どのような夢も描ける環境にあることに感謝して、見えない誰かへ想いを馳せられるような人になってほしいなと思いました。

★授業後の生徒の感想の一部を紹介いたします。

今回、イスラム教のイメージなど、今まで自分が感じていたものがほとんど決めつけであることに気付くことができました。そして、他にも世界には自分のイメージとは違うことがたくさんあるのだろうと思いました。大人になったとき、知らなかったで誰かを傷つけたりしない様に自分の価値観だけで決めることをしないように気をつけようと思いました。また、世界にでて色んな価値観、気持ちを見つけてみたいと思うことができました。

私は飯塚先生のお話を聞いて自分がどれだけ幸せに暮らしているかがとてもよくわかりました。私は法律を破ったことはありません。しかし世界では法律を破りたくなくても破らなければならない状況にいる子供がたくさんいることがわかりました。私は時々学校に行くのが面倒に思ってしまうことがあります。しかし世界には私より小さい子が毎日働いていると知って面倒などと言っている自分がとても恥ずかしく思えてきました。なので今後は自分が今できている生活を当たり前だと思わないで1日1日に感謝して生活していきたいと思いました。

・どんなに貧しい国でもみんな楽しそうに暮らしてるのをみて、貧しい国=楽しくない ではない事に気付けて良かったです。

日本にいるだけではわからないような海外の現状をリアルに見せていただきありがとうございました。決めつけるのではなく自分で考えて物事を見ようと思いました。

世界中の難民の子供たちに教えようと思って行動できていることに尊敬しました。
私は思うことは多いけど行動に移すことがほぼないのでそれができるようにしたいなと思いました。
たくさんの人と関わって世界中のことを知りたいです。

世界一周も、現地の子ども達にボランティアで授業していることもとてもすごいですし、勇気をもらえました!私も英語の勉強頑張りたいと思います! 

お金が尽きるまで、世界中を周る、すごい人生を賭けた感じですごいと思います! 私も何か思い切ってやれることを探したいです!!

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飯塚直輝先生 zoomで授業を受けました 生徒の思う「難民」のイメージ
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