【DX】描く手が、未来を変える! Illustratorで挑戦したイラストDXセミナー

表現する力を育む、DXのアプローチ

先日開催されたイラストDXセミナーは、Adobe Illustratorを用いたデジタルイラスト制作の体験を通じて、生徒たちが"表現する力"に出会う場となりました。
男女合同の特別企画として実施され、講師は聖学院中高の高校2年生。生徒が教え、生徒が学ぶ――別学の垣根を超えて広がる創造的な循環が生まれました。

本校が掲げる「Be a Messenger」――それは、卒業時に生徒に育っていてほしい理想の姿です。
思いや考えを持ち、それを自らの言葉で発信し、他者と関わりながら社会に貢献することを目指すこの姿にとって、ビジュアル表現は重要な実践手段のひとつです。 ペンやカメラ、そして今回はデジタルツールが、"伝える力"の幅を大きく広げました。

b25d70904de69e964bef2044deb88383a4832da6.png
聖学院中高からは高2の生徒とDXユニットの宮教諭が参加しました!

圧倒的な関心が示す、創造への意欲

参加は先着順で、告知と同時に申し込み枠が埋まりました。
「描くこと」「表現すること」への関心の高さはもちろん、DX=自己表現の拡張という新たな可能性に、生徒たちが自然と惹かれていることの証でもあります。

IMG_2552.png IMG_2554.png
アカウントのセットアップから始めます 今回講師をしてくださった男子生徒の教え方は素晴らしかったです

"描く"ことの概念が変わる2部構成の学び

今回のイラストDXセミナーは、技術を学ぶだけでなく、発想の転換を体験できる2部構成で実施されました。
特に、アナログからデジタルへと"描き方"そのものが変化するという点で、生徒たちにとっては創作に対する考え方が根本から揺さぶられるような時間となりました。

第1部:操作を学ぶ――アナログからデジタルへ

前半は、Adobe Illustratorの基本操作をじっくりと学ぶ時間です。
初めて触れるツールに戸惑いながらも、点と点を結んで線をつくる操作や、ベジェ曲線を使った形づくりといった、これまでの「描く」という感覚とは一線を画す技術に、生徒たちは真剣に向き合っていました。
「手で描く」ではなく、「ツールを操作する」という工程に不安の声もあがりましたが、感覚をつかむにつれ、画面上のイラストに"自分らしさ"をのせられるようになっていきました。
技術の習得がゴールではなく、その先にある"自己表現の解像度"を上げること――それがこの部の学びの核心でした。

第2部:創造する――自由な発想をかたちに

後半は、いよいよ演習編です。用意されたテーマやキーワードに沿って、または自分の発想を自由にかたちにしていく創作の時間。
セミナー講師となった高校生が適宜アドバイスを行いながら、会場には自然な学び合いの空気が広がっていきました。
デジタルツールの操作を覚えたばかりであっても、「自分らしさ」をどう可視化するかに真剣に取り組む姿が印象的でした。
モニターに向かって静かに集中する表情のなかには、それぞれが「語りたいこと」「伝えたいかたち」を探る内面的な対話が確かに宿っていました。

a16cecc30423aa8d02c9701683c7089a1fe1e66d.png
告知ポスター

DXユニットの思いとこれから

この取り組みは、単なる技術習得にとどまりません。私たちDXユニットが掲げるのは、「誰もが"創り手"になれる学び」の実現です。
生徒がただ使いこなすのではなく、ツールを通じて自己を解放し、社会へと語りかける力を育てていく――これこそが、教育におけるDXの本質です。

現在、本校ではイラスト制作に加え、動画編集や写真加工、3Dモデリングなど、さまざまなデジタル表現に取り組んでいます。
今後もこれらの活動を発展させながら、生徒が学び手として得た知識や技術を、発信者・指導者として他者に伝えていく機会を増やしていきます。
自ら学び、そして伝える――その循環の中で、生徒たちの主体性と創造力はさらに磨かれていきます。

女子聖学院では教育活動DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
「デジタルシティズンシップ」を根幹に据えた生徒のICTリテラシー向上のためのプロジェクトです。
また本プロジェクトでは大学や企業との連携を強めながら教育の質を高め、生徒たちが次代を担う力を涵養していける場を目指していきます。

ページの先頭に戻る